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出版社内容情報
《内容》 依然として麻酔科,麻酔科医に対する社会的認知は十分ではない。その原因の一つには麻酔科医自身が自分の専攻した「科」について十分理解していないことがある。
また,麻酔科医自身も人間的にも医療人としてももっと努力しなければならないと思う。麻酔科医といっても医師であり,医師も所詮患者と同じく人間である。このことは当然のことながら麻酔科医も人間として秀れていなければならず,とくにその仕事の性質上,他人の言い分に耳を傾けなければならない。中でも患者の悩みに注意を向ける必要がある。とくに全身麻酔中の患者は自己主張をすることが出来ない。このため麻酔科医は患者の「声なき声」つまりバイタルサインに細心の注意を向ける必要がある。外科医の主張を聞いたうえで,患者の状態を考慮してその可否を判断し,さらに看護婦の悩みに対しても相談にのってやらねばならない。このことは決して容易なことではなく,豊かな人間性の持ち主でなければ勤まらない。
(序文より抜粋)
《目次》
I.麻酔科学
1.20世紀の日本の麻酔科学と将来への展望
2.「麻酔」と「麻酔科」と「麻酔科学」―なぜ「麻酔科」が広く社会に認められないのか―
3.麻酔の20世紀
4.蘇生法の過去と未来
5.サイエンスとアートの狭間で
6.だれが麻酔を行うのか―Sir Frederic Hewittの生涯―
II.学 会
1.日本麻酔科学会のあり方に対する私見―分科会的学会,研究会との会期内開催について―
2.“Journal of Anesthesia”に関する一私見
3.50年の差
4.“麻酔の日”の制定を
III.医 療
1.良い医療のために―麻酔・手術・輸血―
2.衆の医療から個の医療へ
3.痛みとその治療―その歩みと最近の知見―
4.日本における脊椎麻酔死
5.Sir William Oslerの“And Hospital”―大学病院のあるべき姿―
6.逆ハインリッヒの法則
7.しらみつぶし―医療事故の根絶のため―
IV.真 実
1.ミッシングリンク
2.真実は一つか?
3.現場に足を運び,現物を観る
4.「獅膽鷹目行以女手」のルーツ
5.専門家と学界―なぜ捏造を見抜けないのか―
6.随照失宗―照に随えば宗を失す―
7.医史学研究の先取権を巡って
V.教 育
1.Evidence-based Medicineは新しい医学か?
2.教育と獣性
3.玄白の「拙速」と良沢の「巧遅」
4.情報発信のための5つの要素
5.「アー」,「アノー」,そして「エー」
VI.人 生
1.戦後日本人の失ったもの
2.日本人の失った礼儀
3.「信」の大切さ
4.Willhelm Erdmann教授の生き方
5.虚 需
6.一期一会―Harvey Cushingの4つの業績のこと―
7.非日常性を求めて
VII.本
1.稀覯本の条件
2.ロンドン古本市
3.ナースに読んでほしいこの一冊
目次
1 麻酔科学
2 学会
3 医療
4 真実
5 教育
6 人生
7 本
著者等紹介
松木明知[マツキアキトモ]
1970年弘前大学大学院卒業。1972年ミシガン大学医学部麻酔科留学。1974年弘前大学助教授(医学部麻酔科学教室)。1985年第86回日本医史学会会長。1989年弘前大学教授(医学部麻酔科学教室)。1992年第34回日本オリエント学会会長。1998年第99回日本医史学会会長。2000年Fellow of Royal College of Anaesthetists
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