九州大学生体解剖事件―七〇年目の真実

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九州大学生体解剖事件―七〇年目の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000610391
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

軍の命令か、医の倫理の逸脱か―。終戦直前の一九四五年春、名門大学医学部で行なわれたおぞましい「実験手術」により、米軍捕虜八人が殺された。当時、医学部第一外科の助教授であった鳥巣太郎は、この生体実験手術に抵抗し、四回あった手術のうち参加したのは最初の二回(正確には一回半)であった。しかし、戦後に行なわれた「横浜裁判」で、首謀者の一人として死刑判決を受けた。鳥巣は苦悩の末、死を受容する心境に達したが、鳥巣の妻・蕗子は様々な妨害をはねのけ、再審査を請求し、減刑を勝ち取った。本書は、鳥巣の姪である著者が、膨大な戦犯裁判記録のほか、知られざる再審査資料、親族の証言などを基に、語り得なかったその真実を明らかにするものである。

目次

第1章 生体実験(九大医学部第一外科;「捕虜は適当に処置せよ」;これは実験手術だ)
第2章 告発(敗戦;告発;逮捕;西部軍と医学部の共同行為としての生体実験)
第3章 B級戦犯裁判「九大生体解剖事件」(巣鴨プリズン;救援活動;裁判開始;スケープゴート;被告人証言;死刑判決)
第4章 再審査(再審査の闘い;死と向き合って;対決;減刑)
終章 伯父と私

著者等紹介

熊野以素[クマノイソ]
1944年生まれ。1969年、大阪市立大学法学部法学科卒業。大阪府立高校社会科教諭を勤めたのち、2004年、大阪市立大学大学院修士課程修了。専門は社会保障法学、とくに介護保険制度。社会保障法学会会員。「九条の会・豊中いちばん星」呼びかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

71
こんな怖い事件があったなんて知りませんでした。戦時下である種の狂気と化していたのかもしれませんが、本当に恐ろしい。人間はこんなにも恐ろしい動物なんだ。そして戦争はそんな狂気を正当化してしまうことの恐怖。上坂さんの作品も読んでみようかな。2021/07/03

at-sushi@ナートゥをご存知か?

61
「海と毒薬」の題材となった捕虜生体実験事件で死刑判決を受けた医師の姪である著者が、事件の経緯とGHQとの法廷闘争を描いたドキュメンタリー。唯一人実験に異を唱え、手術をサボタージュしたにも関わらず、主導的立場にあった教授が自殺したことでスケープゴートにされた鳥巣が、諦めの境地で刑を待つ一方、夫を信じ、文字通り東奔西走し再審と減刑を勝ち取った奥さんの芯の強さに心打たれる。これは一生頭上がらんかったろうな。この権力vs妻という構図は、今、森友問題の真相を求め国と闘う故・財務局職員の奥さんに重なる。頑張れ! 2020/07/16

kinkin

56
事件は遠藤周作氏の「海と毒薬」を読んで知っていた。この本はその事件に関わった鳥巣太郎氏の甥によって書かれたものだ。戦争というとお互いに武器を使って戦うという認識があるが実は戦争を行っている軍以外にも知らぬところで残酷な戦いに加担させられていることがわかった。生体解剖というおぞましいい実験が行われた他にもいまだに未知のこうした実験も多かったのではないか。戦後70年、世の中は戦争の理不尽さを忘れつつまたも同じ道をたどり始めているように思う。戦争は被害者にもなり加害者でもあることを忘れてはいけないと感じた。2015/09/03

キムチ27

51
今年読んだ中では確実に5冊に入る本。筆致が素晴らしい。戦時下の国立大学、医療・軍部~閉鎖的権威でがちがちの中で行われた事件。鳥巣氏夫人蕗子氏の現状を見極める分析力行動力に打たれる。同時に死刑と確定した判決を覆したアメリカも凄い。BC級戦犯法廷では直接の責任者追及に焦点が絞られたという特異性、そこへ女専卒の語学力で「英文の嘆願書」を作成し、提出した努力は並大抵じゃない。2人の責任者が2人没後、他関係者の供述の転変にはうんざり・・平成まで存命された鳥巣氏が発した言葉一つ一つは何にも勝る真実味が溢れている。2016/09/18

おかむら

38
今年の夏にやるNHKの終戦ドラマの原作ノンフィクション。B29搭乗員のアメリカ軍捕虜を生体解剖したとして戦犯法廷で死刑宣告された九大医学部の助教授を妻夫木くんが、減刑を求め再審査のため奔走した妻を蒼井優ちゃんが演じます。生体解剖を主導した上、戦後証拠隠滅を図り捕らえられたら自殺しちゃった教授は鶴見辰吾。この本は助教授の姪が、アメリカ側にあった当時の再審査の資料を読み込んで事件の経過を再検証したもの。読み応えあり。遠藤周作の「海と毒薬」も読み返したくなる。すっかり忘れてっから。2021/06/20

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