がんになる前に乳房を切除する―遺伝性乳がん治療の最前線

電子版価格
¥1,426
  • 電書あり

がんになる前に乳房を切除する―遺伝性乳がん治療の最前線

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163907277
  • NDC分類 495.46
  • Cコード C0095

出版社内容情報

女優アンジェリーナ・ジョリーの告白で有名になった乳がんの予防切除手術。だがそれよりも20年前、世界に先駆けて自らの健康な乳房にメスを入れ、偏見と闘い続けたイギリス人女性がいた。欧米に大きく後れを取る日本での遺伝性乳がん治療の現状も報告。







目次





序章

世界的関心が高まったきっかけは、女優アンジーの衝撃的な告白だった。



第一章 傘で飛ぶことを夢みる子

英国人女性のウェンディ・ワトソン。彼女は祖母も母親もがんで亡くしていた。



第二章 乳がんの遺伝を疑う

母の死後、医師に「がんは遺伝しないのか」と尋ねるが、明確に否定された。



第三章 結婚、そして出産

乳がんへの不安を抱えつつ最初の夫と結婚し、娘のベッキーが生まれた。



第四章 家系図を作って調べる

親類にも若年性乳がんが多かった。八世代遡って先祖の死因を調べてみると。



第五章 がんになる前に乳房を切り落とす

妹との散歩中に思いついた名案、それは健全な乳房にメスを入れることだった。



第六章 ハイリスク遺伝子の発見

乳がん発症率を高める特定の遺伝子の研究には日本人も大きく貢献している。



第七章 卵巣の摘出手術も

世界に先駆けての予防切除手術後、遺伝性乳がんの研究は飛躍的に進んだ。



第八章 二十代の姉妹を救え!

二十七歳と二十五歳のロンダ、アンドレア姉妹から届いた一通の手紙。



第九章 イメージチェンジはミュージカルで

社会の関心を前向きにすべくイベントを開催。さらにCDデビューも。



第十章 ダイアナ元妃のサポート

予防切除の方が結果的に財政負担を軽減することを算出。



第十一章 日本での保険適用の動き

遺伝データ収集には検査費用の軽減、それには保険適用が前提となるのだが。



第十二章 特許を巡る闘い

遺伝子配列自体に特許を求めた企業に対し、検査費用高騰が懸念されて。



第十三章 進歩する乳房再建

予防切除と再建を同時に実施できる二刀流の外科医は決して多くない。



第十四章 日本で再建手術が進まなかった理由

病気が治れば胸の形はどうなっても、という男性中心の考えが医学界にあった。



第十五章 娘の遺伝子検査と予防切除

二十四歳で手術したベッキーの乳がんリスクは八十

内容説明

二〇一三年五月、女優アンジェリーナ・ジョリーの両乳房切除手術の発表は世界中を驚かせた。だがそれよりも二十年以上前、一九九二年に世界に先駆けて健康な自らの乳房にメスを入れた女性がいた。当時三十七歳の英国人、ウェンディ・ワトソン。母親も祖母もがんで亡くした彼女は、がんの遺伝など非常識だった時代、世間の偏見と闘い、その行動にはダイアナ元妃もエールを送った―。

目次

傘で飛ぶことを夢みる子
乳がんの遺伝を疑う
結婚、そして出産
家系図を作って調べる
がんになる前に乳房を切り落とす
ハイリスク遺伝子の発見
卵巣の摘出手術も
二十代の姉妹を救え!
イメージチェンジはミュージカルで
ダイアナ元妃のサポート
日本での保険適用の動き
特許を巡る闘い
進歩する乳房再建
日本で再建手術が進まなかった理由
娘の遺伝子検査と予防切除
孫の誕生とヌード・カレンダー
歩み始めた日本の女性たち

著者等紹介

小倉孝保[オグラタカヤス]
1964年滋賀県生まれ。1988年毎日新聞社入。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長を経て2015年7月より外信部長。英国の乳房予防切除の実態報告で14年、日本人として初めて英外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たちばなあやか

4
この本は、乳ガン疑いで遺伝子検査を受けるまでの海外での葛藤を描いた本です。たった一人の女性が「自分は遺伝からくるガンじゃないのか」と思って、そこからムーブメントが起き、国をも動かす様子が描かれています。乳がんのサバイバーである私には、身につまされる本でした。2020/04/07

kenitirokikuti

3
乳がんオペには整形外科的なイメージがある。しかし、本書が明らかにするのは、乳がんリスク遺伝子の特許化およびその事業化に対する動きである。90年に乳がんに関する遺伝子が十七番染色体と判明し、94年にユタ大学の「ミリアド」という組織がその遺伝子を特定した。同時期に英国のがん研も発見したが、米国での権利はミリアドが独占する。また、その乳がん遺伝子は東欧ユダヤ人に多い、という特徴がある。いろいろあって、2013年、米国最高裁はミリアドの特許(無加工で素のままの遺伝子情報)を認めないとした。2017/12/09

Humbaba

2
問題が発生してしまった場合に対処するのは非常に困難であれば、そもそも問題が発生しないように予防したくなる。予防をするためにもコストがかかるが、それをどこまで許容するかは人によっても違いが出る。どのような決断を下すかは個人差があるが、より公開しない決断を下すためには確率予想の頻度を高める必要がある。2017/12/03

skr-shower

2
日本で遺伝性と診断されたら、既婚未婚に限らず隠すだろう。知られたら、陰口も面と向かっても袋叩き状態になる。形成外科に男性医師が多いのも大問題。女の悩みは小さい事だと先入観がある。辛くない病後のために、医療が進み悪い習慣が覆りますように。2017/12/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12205242
  • ご注意事項

最近チェックした商品