内容説明
本書は、計算生物学における数理腫瘍学研究の基礎的な考え方についてまとめた入門書である。数理腫瘍学は数式を用いた研究法で、生命科学の仮説や理論を数式で記述するところに特徴がある。数式で書いたものを、数値シミュレーションやデータ分析によってリモデリングし、生物実験にフィードバックすることにより、仮説や理論を検証する。解説にあたっては、まず最初に生命現象を紹介し、次に、その生命現象を理解するために必要な数理科学の基本概念を解説したうえで、実際の解析例を提示している。広く医学系・数理系の研究者・学生および企業関係者が数理腫瘍学の最新の研究成果にふれることのできる絶好の一冊である。
目次
1 序章(悪性化の機序;数理腫瘍学の発展;数理モデリングの方法;数式の分析;数値シミュレーション;現実を知る)
2 計算生物学入門(細胞分化と恒常性;反応ネットワークのグルーピング;薬剤耐性とパラメータ同定)
3 数理腫瘍学の方法(減衰振動の再現性;パターン形成の由来;腫瘍成長の予測;ハイブリッドシミュレーション;層別化)
著者等紹介
鈴木貴[スズキタカシ]
1978年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。現在、大阪大学数理・データ科学教育研究センター特任教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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