幻聴の世界―ヒアリング・ヴォイシズ

電子版価格
¥1,078
  • 電書あり

幻聴の世界―ヒアリング・ヴォイシズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784805833698
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0011

内容説明

音源が分からないのに、音や声が聞こえる現象。幻聴は、社会の医療化のなかで生み出されたもので、本質的に障害ではない。とはいえ、生活に支障をきたすことも多く、障害といえなくもない。従来の医学では薬物療法で対処してきた幻聴を、ヒアリング・ヴォイシズでは体験を重視し、自己と他者の関係性を探求することで、人生をプラスに転じていこうとする。神託か空耳か、疾病か聴声か。誰にも聞こえない声が聞こえる―その本質を探る。

目次

序章 ようこそ「声」の世界に
第1章 幻聴ってどんなもの?
第2章 幻聴の脳科学
第3章 幻聴と認知行動療法
第4章 幻聴・ナラティブアプローチ
第5章 インタヴォイスの活動
第6章 精神医学と幻聴
第7章 幻聴への新しいアプローチ
附章 回復は孤立のなかでは起こらない

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽんきち

22
精神疾患の症状と捉えられがちな幻聴を多角的な分野からの見方が書かれていて、なかなか面白かった。いたずらに投薬を増やして幻聴が消えるのを待つだけでなく、積極的に幻聴を受け入れながら自分らしい生き方を見つけて行くという考え方。私の家族はどちらかといえば妄想が強いが、妄想と折り合いをつけながら日常生活を送るための方法を探すのは大事だと最近つくづく思う。健常者と言われる人だって心に歪みや傷は多かれ少なかれあるもので、その傷や痛みを自分で受けとめたり他人に受けとめてもらう事は大事だよな。2015/08/31

つなぐ

4
ヒアリング・ヴォイシズとは、幻聴を正常な人でも体験するコトの延長として他者と共有可能な体験として、その経験を率直に聞き了解可能なものとして扱い、ともにその被影響体験に対処する方法を考えていくという当事者の活動のようです。残念ながら忙しい医療現場では、幻聴のある人に抗精神病薬を投薬して、落ち着いてもらう事を第一に考えがちです。最後にこの概念の提唱者が書いているように、医療ではなく、当事者同士での体験の共有が本当の回復の始まりであったという言葉は印象的です。日本の精神科入院の長さは本当に治療的でないと思います2018/06/06

sabato

4
【講義準備用】ヒアリング・ヴォイシズは「(幻聴を)発言して、認められて、ともに何とか対処していこうじゃないか。率直に語らい、ともに学んでいこうじゃないか」(p138)という考え方らしい。1987年にヨーロッパで始まった当事者運動(精神科医療へ反発と、自分たちの世界の主張)のひとつ。べてるの家の当事者研究に近い発想。根底にあるのは、附章のタイトルにもあるとおり「回復は孤立のなかでは起こらない」ということ。P.S.イルカと30年交信をした男性の話は、本当に泣けた。。(当時)福田首相、なぜ聞いてあげなかったw2012/10/17

ひろか

4
意外にも読者が多いことに驚いた。大切なことが書かれているが、決して主流派ではない2011/08/05

メルセ・ひすい

4
14-17 赤23 ヒヤリング・ヴォイシズ(HV.)…大切なのは、幻聴をなくすことではなく、幻聴を受け入れながら自分らしい生き方を見つけること。幻聴を治療の対象としてとらえること、幻聴をなくすことが治療の目的となる。しかし、完全になくすことができない場合もある。身体疾患でも然り。その時は病気とうまく付き合って生きていくといった選択もあるのだ。…音源がわからないのに、音や声が聞こえる現象・幻聴。HV.視点から幻の声の正体を探っていく。対処方法も紹介するとともに、脳科学の最新知見DTI.にもふれている。2010/11/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/705551
  • ご注意事項

最近チェックした商品