内容説明
乳がんで妻を失った自分を救ってくれたのは「闘病記」だった。同じ病で苦しむ人たちの声、苦しみの軽減方法、希望の持ち方、そして諦観のあり様を知りたくて、闘病記専門古書店を設立。約2800冊を読破した。そんな私が、末期の大腸がん患者となった今、“知りすぎた自分”と格闘する。
目次
はじめに 家族が病気になるより自分が病気になるほうがましだ
第1章 まさか自分が「がん闘病者」になるとは!
第2章 はじまりは妻の「乳がん」だった
第3章 次第に壊れていく二人と一匹の生活
第4章 闘病記を探し求めて
第5章 「がん」と闘う患者と家族の声
第6章 病院に必要なのは闘病記専門の図書館
第7章 「がん」は再発するから「がん」なのだ
あとがき これまでに集めた2800冊あまりの闘病記
パラメディカおすすめ!病名別「闘病記」リスト
著者等紹介
星野史雄[ホシノフミオ]
闘病記専門古書店「パラメディカ」店主。1952年、秋田県生まれ。早稲田大学第一文学部中国文学科卒、同大学院(中国文学)修士課程修了。慶應義塾大学斯道文庫嘱託職員、大手予備校私立医学部受験コース室長などを経て、1998年、「パラメディカ」を開店(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りずみぃ
38
本を借りる時、なるべく1冊は闘病記になるようにしている。きっかけは4年前の親友の死。医学の進歩で癌でも安らかに死ねるのかと思っていたら、大間違い。壮絶な最期を真近にして、自分の無知をたしなめる為に、少しでも彼女の気持ちに寄り添いたくて読む。今は、どこの図書館でも必ず見かける闘病記コーナー。筆者が設置に尽力されていた事を知る。以前は、随筆に一括りにされていたそう。知ると怖くなる。だから、もっと知って全容を把握するしかない。だから読む。死からは逃げられないからね。2018/06/20
S.Mori
11
本当に良い本でした。この本はお勧めです。奥さんを癌で亡くし、自らも癌になってしまった著者の経験が書かれています。素晴らしいと思うのは、闘病記の本をコツコツと収集されて、オンライン書店を開設されたことです。癌になった人は孤立して、不安な気持ちを抱えることが多いでしょう。孤独感を和らげるのに闘病記は役立つのです。私がよく行く図書館には闘病記文庫があるのですが、それはこの著者の努力によるものであることが分かり、感慨もひとしおでした。私は癌と言うわけではありません。→2019/11/03
ようこ
7
最近、闘病記にはまっている。同じ病気でも100人いれば100通りの症状、治療、思想がある。読めば読むほど痛感する。私は闘病記を乱読することで、そこから一体何を得ようとしているんだろう。少なくとも傷の嘗めあいや自分を悲劇の主人公に仕立てあげようとしていないのは確かだ。2015/08/11
けえこ
6
どんなに明るく書かれていても闘病記を読むのは辛い。 2019/01/10
乱読家 護る会支持!
6
奥さんをガンで亡くされ、インターネットでの闘病記専門書店を始められた星野さん。そして、ご自身がガンを患われての闘病記です。また、沢山の闘病記を紹介されています。柳田国男さんによると闘病記を書く意味は、苦悩の癒し、肉親や友人へのメッセージ、死の受容への道程としての自分史への旅、自分が生きたことの証の確認、同じ闘病者への助言と医療界への要望、らしいです。日本人の1/2がかかり、1/3が亡くなるガン。私も告知されたら、闘病記を書く(SNSでですが)と思うので、読んでねっ!^_^2015/01/30