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アインシュタインのパラドックス――EPR問題とベルの定理 単行本 – 2014/1/25

4.0 5つ星のうち4.0 7個の評価

アインシュタインは量子論が不完全だと考え、それを示すべくEPR問題を提出したが、皮肉にも彼の支持者だったベルが証明した定理により、アインシュタイン説は否定される。だがEPR問題はやがて量子情報理論という成果を導くことになった。量子論の発展に尽くした人々の論争と、その物理学的な意味の解説の決定版。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2014/1/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/1/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000050125
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000050128
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 2.7 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 7個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年10月5日に日本でレビュー済み
訳者本人です。今年の受賞者クラウザー、アスペ、ツァイリンガーたちが何をしたか、伝記的な部分も含めて一般向けに解説した最高の本です。そう思って、私から出版社に希望して翻訳しました。著者は本当の主役ベル(故人)の同国人です。この分野からのノーベル賞の選出を願って本書を書いたようです。お勧めします。
著者の了解のもとに一部(20%ほど)、省略しながら、かなり意訳しています。原文との比較をされている方がおられるようですが、それを念頭に、誤訳と思われることなどがあればご連絡いただければ幸いです(本人あるいは出版社に)。(厚かましいですが★5つにしました。私はそう思っています。)
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
量子力学は完璧な理論構造をもった理論である.ところが,人間が自然を観測しようとすると,それを非決定論的な方法でかき乱さなければならない.つまり量子力学の予言は確率の言葉でしか述べられない.これを量子力学の正統的解釈もしくはコペンハーゲン解釈という.これに反対したアインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン(EPR)は,量子力学は古典論的実在性と局所性(情報は光速以下でしか伝わらないこと)とを同時に満足しえないから,不完全な理論であると考えた.ボームはいわゆる隠れた変数の理論を提起して,古典論で量子力学の予言を再現できる理論を構築した.この場合,確率は古典的な意味における隠れた変数の情報の無知に起因することになる.しかし,古典論的確率は,量子論的確率とは演算規則が異なる.量子論では重ね合わせの原理に従う状態という概念があり,それの絶対値の2乗が確率と結びつく.ベルはこの本質的違いに着目して,量子論的には成立しないが,古典論的実在性と局所性を仮定すれば,古典論である限りどのような理論を構築しても必ず満たされなければならない「ベルの不等式」を導いた.実験が行われ,実際にベルの不等式が破れていることが確認された.つまり,量子力学が正しく,古典的な局所性は破れている.
本書は,ベルの不等式関連の非常に詳しい解説である.普通はベルの不等式の実験といえばアスペの実験しか出てこないが,本書ではそれ以前の実験の苦労話から,アスペ以後の最近の発展が詳しく紹介される.著者はこの方面の専門家で,通俗書にしてはレベルが高すぎることも平気で書きまくっている.専門家が書いた本は,内容は濃いが,読者にはすごくハイレベルの理解力を要求するものである.本書の最後の部分では,関連する話題として量子情報理論の最近の進展が紹介されているが,量子コンピュータの構築に関する議論など明らかに通俗書のレベルを超えている.

訳書の失敗は,縦書きにしたことである.文中に縦書きの式がいっぱい出てくるのは,読みにくいし不細工だ.どうしても収めらないと窓のような形式で数式が挿入される.それでも対応しきれなくなると,コラムとして横書き右めくりのページが出現する.どのみち,量子力学を全く知らない人が本書を読むはずもないだろうから,全部横書きにし,訳者は,用語解説だけでお茶を濁さずに,量子力学の基本の解説を付録として付け加えるべきだった.

いくつか,腑に落ちない個所があった.
1) 123ページ.本文ではカルシウム原子を使ったとなっているのに,図のほうはSnになっている.後に書かれた論文の図を転用したのではないか.
2) 249ページ.窓の中の式のmodの中がp-1とq-1の分数式になっているが,これは明らかに間違いだ.ここは数論のオイラーの定理を使った議論のはずで,オイラーのΦ関数が現れるはずだ.Φ(pq)=(p-1)(q-1)だから,商ではなくて積だ.
3) 255ページ.窓の中の第1式と第3式が同じになっている.第1式の右のマイナスはプラスのミスプリントだろう.
25人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年9月26日に日本でレビュー済み
量子力学については、その成立時から解釈問題があり、今日に至るまで誰もが納得する決着には至っていないようだ。しかし、量子力学は現代物理学の最も精緻な基礎理論であり、他の物理学の分野だけでなく、超電導やレーザー、通信技術など最先端の応用のためにも欠かせない。現代のコンピュータの限界(計算スピードや膨大な発熱量)を乗り越える可能性があるとして量子コンピュータが注目されている。本書は、量子コンピュータに至る量子力学の発展の歴史を多彩な登場人物の物語で綴ったものである。量子コンピュータの考え方や歴史的な背景に関心がある人にお奨めの本である。

本書は、量子力学の解釈問題について疑問を持ったアインシュタインが1935年に、ポドルスキーおよびローゼンと共著で発表した論文「量子力学の物理学的実体の描写は完全か?」と題する論文(EPR論文)の解説から始まる。この論文でアインシュタインらは、ある思考実験を行うことで実現される量子もつれ(エンタングルメント)状態が、局所性を破って「テレポーーテーション」状態を実現してしまい、相対論と矛盾するのでパラドックスではないかと問題提起した。この「EPRパラドックス」(本書のタイトルはこれにちなむ)は、約30年後の1964年、ベル(著者は本書の主役と呼んでいる)が提案した検証のための不等式(ベルの不等式)で、実験的に検証可能なテーマとして一躍注目されるようになった。本書は、ベルの不等式が何人かの実験物理学者の努力で検証され、量子論の局所実在論が破綻し非局所的な量子もつれ状態がEPR相関と呼ばれるようになり、量子コンピュータの開発につながる過程を、多くの登場人物とそのエピソードで語っていく。ただ、おそらく百人以上の登場人物の中で、日本人は古澤明氏(東京大学)ただ一人というのがやや寂しい。

量子力学の基礎について鋭い疑問を発することで、結局は量子力学の展開に偉大な貢献をすることになったアインシュタインの慧眼に改めて感服した。本書の著者は科学史家とのことであるが、数式も少し交えて、量子コンピュータの基礎が理解できるような内容になっている。ページ数節約のためか縦組となっているのが少し残念である。訳者は、多くの物理学書の著者でもあり、本書もスムーズな訳文となっている。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月23日に日本でレビュー済み
まず、原著のタイトルが"The New Quantum Age"でサブタイトルが"From Bell's Theorem to Quantum Computation and Telepotation"なので
正しくは「新量子時代---ベルの定理から量子計算、量子テレポーテーションまで---」とか訳すべき本かと思います。

アインシュタインが出てくるのは割と序盤だけで、
あくまで主役はベルとベルの定理を実験にのせようとした一群の人々(Clauser, Horne, Shimony, Holt, Aspectなどなど)なので、
この邦訳タイトルは本の内容を正しく汲んでいるとは言い難いのではないでしょうか。
このタイトルで訳すなら、いっそのこと量子計算とか量子情報の章を削ってしまった方がいい本になったんじゃないのと思ってしまいます。

あと訳語について「これはだめだよ!」と言いたい箇所が随所にありました。
universal Turing Machineが「普遍的なチューリングマシン」と訳されていたり(普通「万能チューリングマシン」とか訳すと思うんですが)
人の名前が場所によって統一されてなかったり、そもそも見当違いだったり(Clauserはクラウザーだったりクローサーだったりするし、ムーアの法則で有名なインテルのゴードン・ムーアがゴルドン・ムーアなんて聞いたこともない訳になっていたりするし、ボーアとボームが間違えられてたりするし、もはや何が何だか。)
あるときはフランス語読みであるときは英語読みでまたある時はドイツ語読み、というような感じ。
これは編集者ちゃんとチェックしてよ…有り得ないよ…翻訳しか手許になかったらいろいろ勘違いするよ…

あと、この本は全訳ではないのでところどころ省略があるのですが、その省略の仕方が雑。
段落の途中で残りの部分を切り捨てて次の段落の途中にいきなり文章が飛んだりするので、論旨が追いにくく感じました。

あと版組み。扱ってる学問の性質上どうしても数式とかが出てくるので、これは横書きにすべき本だったと思います。
縦書き読みづらい! 理工系の本は横書きじゃないとやっぱりダメだと思います。

なんだかいろいろ残念な邦訳。
岩波書店がこんなに雑な本を出すなんて…と絶句するレベルです。

翻訳にたいしては評価1ですが原書は(僕は量子論に関しては門外漢なので偉そうなこといえませんが)良い本だと思いますので、星2つ評価で。いずれにせよ学術的な使用には耐えないように思いますので、これを引用して何か書くことがあるかもしれない人は原著がお手許にあった方がよろしいかと。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月21日に日本でレビュー済み
原書である,The new quantum ageは既読です.

本書はベル不等式やアスぺの実験から量子情報までの歴史的経緯を概観した本であり,その意味で類書がなく,非常に価値のある本であることは疑いようがありません.

しかし,いかんせん訳がひどすぎます.列挙することができないほど,関係詞の先行詞の取り間違いや,指示語の指示対象の間違いなど誤訳や訳の抜けが多いです.また,人名の呼び名についてもひどく,一貫性がないものや非英語圏の人名などは適当に充てられたものでしかありません.さらに,ベル不等式に関する思想史的展開や,量子力学の解釈にまつわる誤訳は切りがありません.専門家からすればあり得ない訳が頻出します.

訳者は物理学の専門家ですし,この領域について「わかったつもり」でいるのでしょう.しかし,これは英語の翻訳・内容の両面であまりにひどすぎます.これは訳者だけの責任ではなく,岩波書店の編集にも責任が大いにあるでしょう.

くりかえしますが,この本は誤訳が多く読むことをお勧めできません.原著にも問題がないではないですが,珍しいテーマを扱っている点で読む価値があった分,残念でなりません.

原著の購入を強くおすすめします.
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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