「もはや坂をころげ落ちるばかりのローマ帝国を書いていて思うのは、中間と下部がダメになったら、いかに上部ががんばろうと何をやろうとダメ、ということである。反対に、中と下の層が充分に機能していれば、少しばかりの間ならば上層部の抗争で生まれた弊害も吸収可能、ということである。ネロの自殺から始まった一年にわたる内乱は、「パクス・ロマーナ」に慣れたタキトゥスのような上流の知識人には、これで帝国も終わりかと嘆かせはしたが、現実の帝国のほうは充分に機能していたのだ。」(同書の「カバーの銀貨について」より)
「タキトゥスはこのガルバを、次の一行で片づけている。「良き資質に恵まれていたというよりも、悪しき資質がまったくなかったというにすぎなく、要するに平凡な出来の人物であった」(41頁)」
「予定どおりに進行する事態への対処ならば、特に優れた能力は必要としない。真の才能が問われるのは、予期しなかった事態への対処である。この面でも、ヴィテリウスと、ヴェスバシアヌスの同志のムキアヌスの力量の差は明らかになる。」(166頁)
青天の霹靂で帝位に就いた人々も、その資質や才能により、こうも落差が生じるものかと、幾分考えさせられる。
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ローマ人の物語 (21) 危機と克服(上) (新潮文庫) 文庫 – 2005/9/28
塩野 七生
(著)
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失政を重ね帝国に混乱をもたらしたネロが自死した翌年(紀元69年)、ローマには三人の皇帝が現れては消えた。ガルバ、オトー、そしてヴィテリウス。初代皇帝アウグストゥスの血統ではない彼らに帝国の命運が託されたが、傲岸、生硬、怠惰という各人の性格に由来する統治力のなさが露呈、いずれも短期間で破滅した。さらにその間、軍団同士が争う内戦状態に突入し、帝政始まって以来の危機的状況に陥る。果たしてローマ人はこれをいかに乗り越えたのか。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2005/9/28
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101181713
- ISBN-13978-4101181714
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2005/9/28)
- 発売日 : 2005/9/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 208ページ
- ISBN-10 : 4101181713
- ISBN-13 : 978-4101181714
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 185,420位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 85位古代ローマ史
- - 484位ヨーロッパ史一般の本
- - 3,807位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1937年7月7日、東京生れ。
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。
1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年10月23日に日本でレビュー済み
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2018年7月9日に日本でレビュー済み
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ネロの自決後空位の皇帝位につきながら、いずれも短期で破綻した三人の皇帝についての巻。共通して言えるのは、皇帝としての資質に欠け凡庸であったと言う事。結局1年で4人?も皇帝の顔がすげ変わったわけだが、帝政なのにローマ市民が慣れっこになって冷めていた様子が興味深い。数百年続いたローマ帝国のシステムがそれだけ堅固でビクともしないものであった証拠か。現代の世界では民主主義が幅を利かせているが、当時のローマでも民主主義的原理で皇帝が決まっていたかのようだ。ともあれ国の根幹に関わる皇帝位を巡っての混乱で内戦状態に陥りながら、なお立て直したローマ帝国。現代の世界でもなおその興亡は示唆に富んでいる。
2013年6月28日に日本でレビュー済み
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一気に読み切らないように、常に3連番づつ買い足します。眠れなくなるほど夢中に読むほどおもしろいです。
2016年4月1日に日本でレビュー済み
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ネロの死後1年間で軍事クーデターが発生し、3人の皇帝が現れては消えて
いった顛末を描く。時代が地味なので登場人物の華やかさは無いが、著者
の分析力と筆力により面白く仕上がっている。
3人とも政治的に無能なために早々と消えていったことは、ローマという国
にまだ自浄能力が存在していたということなのだろうと思う。
いった顛末を描く。時代が地味なので登場人物の華やかさは無いが、著者
の分析力と筆力により面白く仕上がっている。
3人とも政治的に無能なために早々と消えていったことは、ローマという国
にまだ自浄能力が存在していたということなのだろうと思う。
2017年12月9日に日本でレビュー済み
皇帝ネロの死後、突如として皇帝までの地位に登り詰めた3人は皆、儚く消えていった。想像さえしていなかった地位に運よく就いたが、不運にも能力が足りなかった。
面白いのは最高指導者が愚かでもローマ帝国の市民の生活は安定していたこと。強靭なシステムが構築されていれば指導者が多少劣っていても平安は保たれることを立証している。
面白いのは最高指導者が愚かでもローマ帝国の市民の生活は安定していたこと。強靭なシステムが構築されていれば指導者が多少劣っていても平安は保たれることを立証している。
2005年10月2日に日本でレビュー済み
この巻では、皇帝ネロが暗殺された後の1年に次々と即位した3人の皇帝、ガルバ、オトー、ヴィテリウスを取り上げます。
この3人は、いずれも自分の置かれた状況を的確に認識できず、判断ミスによって自らの命を終わらせることになるのですが、その経緯で発生した内戦の被害の大きさについて、著者塩野氏はカエサルとポンペイウスの例を引きながら「指導者に統率力が欠けていれば、戦場で戦う兵士の被害も大きくなるのだ」と指摘します。
内戦の士気にとどまらず、戦略・政略においても明確なビジョンを持たず、場当たり的な行動をとり続けた3人の皇帝の姿は、現代を生きる我々にも数多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
この3人は、いずれも自分の置かれた状況を的確に認識できず、判断ミスによって自らの命を終わらせることになるのですが、その経緯で発生した内戦の被害の大きさについて、著者塩野氏はカエサルとポンペイウスの例を引きながら「指導者に統率力が欠けていれば、戦場で戦う兵士の被害も大きくなるのだ」と指摘します。
内戦の士気にとどまらず、戦略・政略においても明確なビジョンを持たず、場当たり的な行動をとり続けた3人の皇帝の姿は、現代を生きる我々にも数多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
2016年8月21日に日本でレビュー済み
タキトゥスがティベリウスからネロに至るまでのローマ帝政を口を極めて非難している。このタキトゥスの歴史観がローマ帝国に対する構成の評価を決定した。この評価に寛容(これは著者がローマ及びカエサルを話すときのキーワードだが)及び慈愛、更に深い洞察力により別の視線を与えている。これは全編に亘って染み渡っており、それがこの著作が高く評価された本質の部分であると感じる。
ネロの後を継ぐガルバ。数少ないローマ出身の名門貴族の出に加え、国家の要職を経験。元老院も早くに彼に正当性を認める。一方で72歳の高齢の影響か、正当性を過大評価したか、必要な諸事の手配が遅れ遅れとなる。正論であるにせよ首都の平民や軍団兵たちへのボーナスの配布を怠り、協力者の人選を間違え(著者はヴィニウスでなくオトーを選ぶべきだったと)、財政再建策でもネロが贈った金銭ば物品を返せと言うお門違いのことを行う。結局マインツの軍団兵が後任にヴィテリウスを擁立すると決める。ローマでは近衛軍団の兵士たちがオトーにつき、皇帝暗殺のクーデターが実行される。
皇帝に就任したオトーはゲルマニア軍団との内戦を迎えることとなる。これはライン軍団ーヴィテリウス、対、ドナウ軍団ーオトーの図式。オトー軍は敗れる。この原因として著者は最高司令官オトーの不参戦を挙げる。自軍のすぐ後方に陣取って直接に指揮をしてくれると思っていた人の不参戦が兵士に失望を与えたと。
ヴィテリウスが第一人者として元老院に承認される。ヴィテリウスは敗者であるドナウ軍団の百人隊長を殺させ、兵士を冷遇する。
ヴェスパシアヌスがムキアヌス、アレキサンドロスと協力、息子のティトゥスを加え皇帝実現となる。
このガルバ、オトー、ヴィテリウスとヴェスパシアヌスの差を、無能な将の指揮する戦闘を叙述するのと、名将が指揮する戦闘を叙述する場合の差があると著者は言う。
ネロの後を継ぐガルバ。数少ないローマ出身の名門貴族の出に加え、国家の要職を経験。元老院も早くに彼に正当性を認める。一方で72歳の高齢の影響か、正当性を過大評価したか、必要な諸事の手配が遅れ遅れとなる。正論であるにせよ首都の平民や軍団兵たちへのボーナスの配布を怠り、協力者の人選を間違え(著者はヴィニウスでなくオトーを選ぶべきだったと)、財政再建策でもネロが贈った金銭ば物品を返せと言うお門違いのことを行う。結局マインツの軍団兵が後任にヴィテリウスを擁立すると決める。ローマでは近衛軍団の兵士たちがオトーにつき、皇帝暗殺のクーデターが実行される。
皇帝に就任したオトーはゲルマニア軍団との内戦を迎えることとなる。これはライン軍団ーヴィテリウス、対、ドナウ軍団ーオトーの図式。オトー軍は敗れる。この原因として著者は最高司令官オトーの不参戦を挙げる。自軍のすぐ後方に陣取って直接に指揮をしてくれると思っていた人の不参戦が兵士に失望を与えたと。
ヴィテリウスが第一人者として元老院に承認される。ヴィテリウスは敗者であるドナウ軍団の百人隊長を殺させ、兵士を冷遇する。
ヴェスパシアヌスがムキアヌス、アレキサンドロスと協力、息子のティトゥスを加え皇帝実現となる。
このガルバ、オトー、ヴィテリウスとヴェスパシアヌスの差を、無能な将の指揮する戦闘を叙述するのと、名将が指揮する戦闘を叙述する場合の差があると著者は言う。
2010年2月14日に日本でレビュー済み
追い詰められて亡くなった「暴君ネロ」。反ネロ、新皇帝として擁立されたガルバでとりあえずは落ち着くかと思われたが・・・
若かったネロに対しやや高齢のガルバは、総督をうまくつとめていて新皇帝には無難な線かと思われたものの、
何だかんだとぐだぐだしているうちに時期を逸し、人事もうまくなく、別に大変な暴挙をしでかしたわけでもないのに政権はボロボロに。
あっという間に倒されたガルバを継いだ元ネロの遊び仲間オトー。しかし、「ガルバはやめ、ヴィテリウス擁立」と考えた軍勢がすでに南下中だった。
当時は馬を疾駆させて情報を伝えるしかない。当時、せめて固定電話でもあれば、歴史は違っていただろうと何度も思わされる巻であった。
普通に帝位を継承して平穏な世の中の統治をスタートさせたのなら、オトーもうまくやったかもしれないが、
結局ヴィテリウス派とオトー派の武力衝突になってしまい、天才武将の不在により何ともすっきりしない闘争が続く。
結局敗北したオトーの後を継いだヴィテリウスは、戦後処理の巧みさがなく、相手に深い怨恨を残した。
というわけで、何か月かずつで皇帝が交代、しかもローマ市街での内戦勃発と大変な乱世になるのだが、
帝国のシステム自体は通常同様に運用されているために、全市民の生活に影響を及ぼすものではない。
あまりにも短期間で次々に皇帝が倒れてゆくさまは、無常感よりもむしろ苦笑を誘われる。市民も「嗚呼、またか」と脱力しながら見守っていたのではないか。
しかし、トップの混乱は市民生活に直接打撃を与えなくても、大帝国の運営全体ではほころびが出る。それが、次巻に描かれることになる。
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