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【増補改訂版】心の傷を癒すということ――大災害精神医療の臨床報告 単行本 – 2011/5/27

4.2 5つ星のうち4.2 4個の評価

大震災によって、人の心はいかに傷ついているのか? そして、復興によって癒すことはできるか? 阪神大震災の被災者の“心の叫び”と、生涯にわたり取り組みつづけた精神科医による、初めての大災害精神医学の臨床報告。阪神大震災の経験を、東日本大震災の被災地に生かすために。 サントリー学芸賞受賞作に、大幅増補した決定版! 著者が書き残した改訂を加え、さらに新たに阪神大震災および災害精神医学に関するエッセイや論考を大幅に増補し、そして著者と関係の深かった方々の文章を収録。 ●増補した内容 被災地の心の風景 震災から4年目の神戸――虚無感と希望 災害精神医学と心的外傷 ●寄稿:中井久夫、鷲田清一、川本隆史、河村直哉、田中究、宮地尚子 やがて被災地は、「ハネムーン期」を終えて「幻滅期」に入っていく……。 この「幻滅期」を越えて、私たちは再建に向かわなければならない。それは〈心の傷〉を見て見ないふりをして前進することではないだろう。多数派の論理で押しまくり、復興の波に乗れない“被災の当事者”でありつづけている人たちを、忘れ去ることではないはずである。“心の傷を癒すということ”は、精神医学や心理学に任せてすむことではない。それは社会のあり方として、今を生きる全員に問われていることなのである。(「復興にむけて」より要約) 「耳元で“助けて、助けて”という声がするんです。私も逃げるので精一杯だったんです。助けてあげられなかった。それで自分を責めてしまうんです……。私も死んでしまえばよかった。いつか、この“声”から解放されるんでしょうか……」(PTSD――Jさんの場合)
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商品の説明

著者について

安克昌(あん・かつまさ)1960年、大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業。精神科医。阪神大震災において、神戸大学附属病院精神科医局長として、自らも被災しながら、全国から集まった精神科医のボランティアをコーディネイトし、精神科救護所・避難所などで、カウンセリング・診療などの救護活動を行なった。その後も被災者の心の問題と取り組みつづけ、阪神大震災の一年後に、その臨床報告としてまとめた『心の傷を癒すということ――神戸…365日』(本書の旧版)を刊行。本書は「第18回 サントリー学芸賞」を受賞した。神戸大学医学部講師、神戸市立西市民病院精神神経科医長を務め、心的外傷の治療のパイオニアとして活躍していたが、39歳の若さで肝臓ガンで死去した。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 作品社 (2011/5/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/5/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 443ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4861823390
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4861823398
  • 寸法 ‏ : ‎ 13 x 2.7 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 4個の評価

著者について

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安 克昌
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年6月2日に日本でレビュー済み
1995年1月の阪神大震災の発生当時34歳、その直後から命の光を遺憾なく輝かせ被災者支援に取り組み続け、39歳の若さで3人のお子さんを残して逝かれた精神科医が被災から約14ヵ月後(1996年3月)に出版した書の増補改訂版である。自らも被災者でありながらその時を全力で生きていた著者の熱い想いが15年後の今にも十分に伝わってくる。著者に対しての敬虔な想いを持たずして読むことはできない。そして、今を生きる読者が彼の意志をどこまで受け止められるかが問いかけられている気がする。
阪神大震災での著者達の活躍は今にも受け継がれ、目に見える物的被害だけではなく、心の傷についてのケアの重要性も東日本大震災では当初からマスコミで報道されていたと思う。
では、生きている私たちには何が出来るのだろうか。著者は心のケアという看板を前面に掲げてアプローチすることを否定する。被災者は声にならない声を心に抱えており、それが声になることは長い時間をかけて安心できる信頼関係が築かれてはじめて起こることだという。専門家ですらそうなのだ。本書から分かることは、被災地外の非専門家にできることは、無理に声を聞くことではなく、そこにそういう声があることを理解すること、そして、ただ彼らの傍にいることだ。心のケアのために接するのではなく、共同作業のために接すること、そのことだけでも被災者の孤独感、取り残され感を払拭する大きな力を持つのだという。炊き出しや瓦礫撤去のボランティアがそこにいるだけで小さな支えになるのだ。(もちろん、ボランティアの合間には要求せずともお話をお聞きする機会も実際にはあるのだろうが。)そういう日常生活の中での些細なことの積み重ねが被災地ケアにとって大切なのだ。被災地外にあっても県外避難者は多いだろうから対応は同じだろう。
著者のすごいところは、心のケアが医療従事者によるカウンセリングのような閉じた空間、限定された時間での医療行為で取り組む課題なのではなく、社会全体でコミュニティーとして取り組む課題だと訴えていることだ。「無縁社会」が騒がれるようになる今から15年も前から著者は弱者を取り込むことの出来る「品格」のあるコミュニティーを築くことの大切さを訴えていたのだ。これはまさに小児トラウマという個別具体的な専門領域を極めていくことを通じて社会問題の根本原因までを見抜くに至った著者の慧眼があればこそであり、その考えは本書1冊を通して読むことで各人が学び取るべきことだろう。本書には非常に多くの学びがあると思う。
しかし、もしもその気はあっても時間に限りがあるのであれば、本書を読んでからなどと言わず、とにかく被災地のボランティアに1日でも参加し、炊き出しや瓦礫撤去を通して、時間、空間を共にしたらいいのだろうと思う。それこそが現状を見守ってくれているだろう著者の最も喜ぶことだろうから。
60人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年12月11日に日本でレビュー済み
筆者が精神科医として奔走したことについては労いの念を抱く。しかし、今現在の状況で、心の傷を癒すのが精神科医だというメッセージとしての機能を本作が担ってしまっている点がいただけない。医師は脳の不調を投薬で治すことができるだけの存在であって、統合失調症や遺伝からくるうつ病への対処はできるものの、ストレスや心の傷についての対処については学んでおらず、付け焼き刃の対処となる。心の治療を求めて精神科医のもとを訪れても対応してもらえない。むしろ、心理師のもとを訪れる必要があるのが実際のところです。それにも関わらず、まるで精神科医が心の領域に対応しているかのような誤った情報が流布する元凶となりえる点で、本書は有害です。
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