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行動分析学入門 : ヒトの行動の思いがけない理由

杉山尚子著. -- 集英社, 2005. -- (集英社新書 ; 0307E).
ISBN:4087203077
総合評価:

1

なぜあの行動を?随伴性で日常を解き明かす、実践的心理学

著者の杉山尚子氏は、山脇学園短期大学助教授として行動分析学を研究してきた心理学者である。本書は、専門的な行動分析学を、日常生活の身近な事例を用いてわかりやすく解説している点が特徴であり、心理学の知識がない人でも理解しやすい内容となっている。
本書では、人の行動を「心」や「性格」だけで説明するのではなく、行動の後に良いことがあると、その行動を繰り返し、反対に嫌なことがあると、その行動をしなくなるという考え方を基にして分析をする。例えば、「なぜお菓子を食べたのか」という行動も、単に目の前にお菓子があったからではなく、その行動の前後にある環境や結果との関係から理解できると説明している。また、学者の動物実験を通して、行動の増減に注目するため強化や弱化などの仕組みを説明し、問題行動を改善するには、本人だけでなく環境を変えることも重要であることを示している。
本書を読んで特に印象に残ったのは、「行動は本人の意思だけで決まるものではなく、周囲の環境や結果によって変化する」という考え方である。自分の性格や気持ちが原因だと思っていた普段の行動も、環境との関係から客観的に考えられることに気づいた。また、本書は具体例が多いため、心理学の専門知識がなくてもとても理解しやすい。勉強や仕事、人間関係など、日常生活のあらゆる場面で活用できる実践的な学問なので、「心理学ってなんだか難しそう」と思っている人にこそ、ぜひおすすめしたい一冊である。


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