書誌レビュー一覧 1件~2件(全2件)

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ポケットモンスターダイヤモンド・パール公式ぜんこく図鑑完成ガイド

元宮秀介, ワンナップ編著. -- メディアファクトリー, 2006. -- (メディアファクトリーのポケモンガイド).
ISBN:4840117624
総合評価:

1

深奥な里帰り

 目を閉じればいつでも流れる「201ばんどうろ」のBGM。確かヒトカゲを選んだっけ。「なんだってんだよー!」が口癖の幼なじみの陽気さが羨ましかった。私はシンオウ地方出身です、なんて言ってしまうほど明らかな郷愁をゲームの中の世界に感じてしまうのが不思議だ。だからこそ、その世界の設計図とも言える「ガイドブック」、いわゆる「攻略本」が大好きだった。

 本書にはポケモンのありとあらゆるデータ、全国図鑑完成までのポイント、バトルのアドバイスなどが網羅的に載っている。本書があればおそらく問題なくゲームをクリアすることができる。中でもポケモンの出現率は多くの「攻略本好き」を唸らせるであろう。ゲーム内のマップでは様々なポケモンに出会えるのだが、そのマップでのポケモンによる出現確率も載っている。出現率が高く、よく出現するのは「◎」。そこから出現率が下がっていく順に「〇」「△」「▲」「×」のように記号で表される。どこの草むらでどのポケモンがどのくらいの出現率なのか、当時の私は全て暗記していた。そんな世界の支配欲やコレクター魂を満たす魔力が約700Pにぎゅっと詰まっている。

 同時に「あの頃」の記憶が時間も空間も超えて蘇ることであろう。ページを開けば、あの頃と変わらないシンオウの地がそこにはある。たまには帰っておいで、と言うように元少年少女を待っている。

 ジグザグマとフローゼルが好き。


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2

時間と空間を超えてきた思い出

 この本を図書館で見つけたときに、あの頃と変わらない姿でいたことが何よりも嬉しかった。あの頃の姿というのはちょっとボロボロで日に焼けていて、なぜか頁が均等でないという姿だ。どうしてこの本がそんな姿になったのかは、僕らがまだ幼い日に公園に集まって遊んだときまで遡る。公園に任天堂DSを持ち寄って(DS rightの友達もいた)このゲームをしていた。持っていない友達も画面を食い入るようにみていて、ゲームの進攻一つ一つにみんなで一喜一憂していた。ゲーム画面に太陽が当たると見えなくなるから陰係の友達がいて、通信交換でしか進化しないポケモンのことを調べる担当の友達がいた。そんなあの頃にこの本はずっと隣にいてくれた。正直言ってこの本の扱いは良くなかった。砂まみれで日焼けして、本を開くために木や石を挟んだり置いたりした。その年季をなぜか図書館の本なのにこの本も醸し出していた。
 そこで一つの仮説が生まれた。もしかするとそんなあの頃がこの大学にもあったのではないか、と。今の大学生がスマホでオンラインゲームを遊ぶように、あの頃の大学の学生ラウンジや教室に同じ日々があったのかもしれない。誰かが試しにリスエストしてみたら、リクエストが通って貯蔵されて同じような扱いを受けたのかもしれない。そんな妄想が幼き日々と重なってみえた。
 パーフェクトクリアガイドブックとある通り、シナリオ完全攻略・図鑑完成・バトルのアドバイス・全国図鑑(ポケモンのデータ)が載っている。きっとあの頃はインターネットに簡単にはアクセスできなかった。この本のおかげで青春はより色味を増したのだと思う。特に「いでん技」と「しんか条件」を調べた。
 あの頃、ポケモントレーナーだった全ての人へ。この本と一瞥することをおすすめする。そこには満開の笑顔が咲いている。

 レントラーとムクホークが好き。


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