書誌レビュー一覧 1件~1件(全1件)

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総合評価:

1

国家、氏族、地域、これらでカオスになった民族。

皆さんはソマリアという国を知っているだろうか。この国は内戦により、簡単に分けるとソマリランド、プントランド、南部ソマリア、と三つの地域に分かれてしまった国である。

これまで様々な地域を旅し、誰もやらなかったようなことをやっている著者の高野秀行氏が今回、内戦により崩壊したソマリア北西部にあるソマリランドという民主主義の独立国を取材した。本書は、著者が未承認の民主主義国家ソマリランドを知るために、ソマリランド、プントランド、ソマリア南部を旅しながら取材し、植民地の旧宗主国の影響、地域や氏族による慣習の違いなどから三つの地域に分かれたソマリア崩壊の原因を探っている。

個人的に興味深かったのは、ソマリランド地域では昔から争いが多かったことから「ヘール」という紛争を調整する決まりが設けられ、争いの中にも一定の秩序が保たれていた点だ。一方、比較的豊かで争いの少なかったソマリア南部ではそのような決まり事がなく、内戦が始まると女性や子どもまで犠牲になってしまった。人は決まりがなければこうも無秩序になってしまうのかと感じた。氏族制など、分かりにくいところは武士に言い換えていて分かりやすくしていたり、著者のユーモアが多く盛り込まれており面白いので、タイトルで気になった方は是非読んで欲しい。


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