本作の著者である武田綾乃は、アニメ『響け!ユーフォニアム』の原作小説である『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』も手掛けた、青春の中の複雑な感情や人間関係を描くことを得意とする作家である。本作では、進路についての不安や、友人との距離感など、高校生活の中で誰もが抱える曖昧な感情が描かれる。何気ない会話や沈黙、視線の揺れのなかで高校生の心情が明らかになっていく。全5章で構成され、それぞれ1章ごとに主人公が切り替わるのも楽しめる点だ。さらに読み進める中で、共感できない部分が存在することも、むしろ現実味を帯びている点になっている。『青い春を数えて』という題名には、限りある青春の日々を一つずつ確かめるような儚さが込められている。あのころ、あのとき、あのひと。青い時間を過ごしていた自分にしかわからない、そんな時間を振り返る。違うから生きづらい。違うから輝ける。自分にしかないから生きていく。あのころよりも、ほんの少し広い世界を知った、そんなあなたに。
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