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ミハイル・ゴルバチョフ。ソ連最後の指導者であり同国の改革を断行し、核廃絶に向け中距離核戦力全廃条約を締結したなど冷戦史を語る上で欠かせない存在である。本書はそんな彼が2017年に出版した『オプチミストのままで』を朝日新聞社の副島英樹氏が邦訳し2022年7月に出版されたものである。
本書はゴルバチョフ氏が関わった政治的出来事を中心に記述されており、近年に原本が出版されたおかげで歴史の生き証人による現代問題への評価を閲覧する事が出来る貴重な本になっている。そして同時に政治家としてのゴルバチョフだけでなく家族のエピソードを通して1人の人間としての素顔が窺える作品になっている。
私はゴルバチョフ氏が互いに歩み寄り相互の信頼を築くことの大切さを伝えたいのだと感じた。それはまず私達個人間で実践されるものだと思う。なぜなら身近な人にすら信頼を築けなければ国家間の信頼など訪れないと思うからだ。そして奇しくも本書出版の同年2月にロシアがウクライナ侵攻し、更に同年8月30日にはゴルバチョフ氏が死去し、ソ連という一時代を築いた国家が完全に過去のものになり冷戦という時代がまた1つ遠くなった、歴史的に非常に考え深い年になったと私は思う。最後にゴルバチョフ氏の言葉で締めたいと思う。「過去について真実を知り、将来への教訓を引き出すことは、移りゆく世界の中で、私たち誰もが必要とすることなのだ。」(p.545)
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