皆さんは他人の表面を見ただけで、その人のことを知ったような気持にはなっていないだろうか。 IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った6人の大学生は1か月で最高のチームを作り上げるという課題に挑むことになった。順調にいけば6人全員に内定が出ることになるはずだったが、6人の中から1人内定者を選ぶという課題に変更されてしまう。内定をかけた議論の当日。会議室に謎の封筒があった。その中を見ると「袴田亮は人殺し」という告発文が入っていた。そこから6人の噓が暴かれることになる。 この本はページをめくるたびに登場人物に対する印象がガラリと変わっていく。他人の行動を一つ取り上げて、その表面だけで判断することができないということを嫌というほど実感させられた。この本ではこのことを月の裏側に例えられている。月は地球に対して常に表側しか見せていない。月の裏側は表側に比べて起伏が大きくクレーターの多さが目立つ。月と同じように私たち人間も表の部分しか他人に見せていないのではないか。私たちは表の部分(善い部分)しか見られないように噓をついて自分を偽って生きている。月の表面だけをみて綺麗だなーと言って判断するのと同じように、他人のことも表面だけを見て判断してしまっている。表面部分だけを見ても、他人のことを判断することができない。この本を読んで、あなたもそのことを実感してほしい。
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