著者の宇津木健太郎氏は、2020年に『森が呼ぶ』で第2回最恐小説大賞を受賞し、本作で第36回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しました。ライトノベルのような大きさで分かりやすい表現で構成されていて、気軽に読める作品となっています。猫に9つの命があると聞いたことはありますか?この物語は、人間嫌いだった主猫公が 8つ目の猫生を終えて9つ目の猫生を歩みながらこれまでの猫生を振り返るところから始まります。猫が集まる不思議な書店を舞台に、魔女と呼ばれる店主と3匹の猫たちが物語の中心となり、書店を訪れるお客さんの成長や、主猫公の成長を描いています。登場する猫たちの元飼い主(文豪たち)のエピソードがちりばめられており、文学史の知識がある方にはよりいっそう楽しんでいただける作品だと思いました。文学史に疎い方でも楽しめる作品となっています。例えば、店主の呪いやお客さんの少女の葛藤が絡み合うようなシーンがあり感情移入しやすく、これまでよりずっと猫を愛することができるようになるでしょう。
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